人々の自由を奪うコロナ禍も、ワクチンの普及とともに少しずつ緩和されて行くようですね。
私のお店でもレンタルキッチンのお問い合わせが少しずつ増えてきて、実際にキッチンを使ってできた商品の販売を拡大させていっている作り手さんも増えてきました。
そこで作り手さんに「レンタルキッチンを借りる際のポイントとして考えていること」を聞いてみましたので、今回はそれをまとめてみようと思います。
目次
レンタル代金
1個300円程度の焼菓子を作るのに必要な材料費や資材費は思ったより高いものです。
その他に型代や消耗品などの費用もかかります。
これらをペイするのにまずはレンタル代金をチェックするのは当たり前のことですよね。
更にレンタル代金に何が含まれるか、細かいところまで調べる必要があります。
ちなみに私の運営しているレンタルキッチンにはゴミ処理代や洗剤・手袋と言った簡易消耗品代も含まれています。
自宅からの近さ
- 材料や、資材機材など持っていくものが多い
- 万が一忘れ物をしたときに取りに帰ることのできる許容範囲の場所がいい
などの理由で自宅からの近さを選ぶポイントにしている方は多いようです。
レンタル料が安くても、往復の交通費を考えると総合的に割高でも近場のほうがいいと考える作り手さんもいます
施設の充実度
時間毎に費用の発生するレンタルキッチン、時間内に以下に効率よく商品を作れるかが重要。
機材が家庭用だったり、調理器具が不足していると手作業が多くなり思ったより量が作れないということにも繋がります。
- オーブンはガス式か電気式か
- キッチンエイドなどの電動ミキサーはあるか
- フードプロセッサーや圧力鍋はあるか
- 鍋やフライパンはいくつあるか
- 天板は何枚あるか
- ホイッパーやヘラ、ボウル、スケッパーなどは足りているか
など予め施設を見学してチェックする必要もありますね。
シーラーや食品表示用のラベル、プリンターの有無を聞かれることもあります。
お客様への保証
菓子類は「製菓製造許可」付きのキッチンで作られたものでなければ販売できないという法律がありますが、そのことと「万が一のことがあった場合のお客様に対する保障」は別問題です。
もちろん、法律的には製造場所が責任を持たなくてはならないのですが、レンタルキッチンの全てが対応しているとは限りません。
正直なところ、高温で焼くお菓子には食中毒のリスクは低いと思っているキッチンがあるのも現実です。
「たぶん大丈夫だろう」という油断が事故を招くということはもちろんですが、自分の商品を買ってくださったお客様に対してできることはすべてやっておくのが良い作り手さんの条件ではないかと、キッチンを貸していて思います。
PL保険の加入は確認しておくことをお勧めします。
販売支援の有無
製造したものの販売先として考えられているものが
- ネットショップ
- 委託販売
- マルシェ
などがあります。
マルシェなら一日〜一週間で終わるものですし、集客はマルシェ側が行いますのである程度乗りやすいというものありますが、ネットショップはそうはいきません。
ここ数年で「BASE」や「MINNE」などを始めネットショップの開設のハードルが下がってきていますが、それは同時にショップの数の増加も意味しています。
私は店頭でシフォンケーキを販売していますが、ネットショップで「シフォンケーキ」と検索すると膨大な数のショップが表示されます。
同じことがどの作り手さんにも言えることで、差別化を図ったり、検索に載りやすい工夫をしたりしないと自分のショップを選んでもらえる行為に繋がりません。
そして何よりもそのリンクをどれだけたくさんの場所に貼り付けられるかも重要です。
また、委託販売も一件でも多くの場所に取り扱って欲しいですよね。
そういった販売支援に協力してくれるのかも、レンタルキッチンを選ぶ重要なポイントになっているようです。
一人の力より、複数の力ですね。
最後に
ビジネスは「商品」ではなく「人」と繋がります。
貸主が作り手の思いを如何ほど理解し、応援できるか。
そんな貸主のレンタルキッチンに出会うことが、長く続けるビジネスの最初の一歩につながるはずです。
「ただ単に場所を借りてくれたらいい」「ただ単に場所が借りれればいい」関係でいいのか、考えて色々な貸主さんと出会っていただきたいと思います。
当店はお菓子の製造だけでなく、間借りカフェ、間借り飲食店にもご対応しております。
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