前回のブログで、カフェを閉店する理由として「3つの負担」を上げました。
今回は最終回、「精神的負担」です。
目次
来客数が少ないと、店だけではなく自分自身も否定された気になる
「商売は水物」と言われ、頭ではわかっているものの、お客様がいらっしゃらない状況と言うのは店主にとっては辛いものです。
一日だけ売上が悪くても、次の日に戻れば一時的なものとしてやり過ごすこともできますが、「先週は良かったのに今週は悪い」という状態だと、前の週に何かお客様に対して失礼なことをしたんじゃないのかとか、どこかの口コミで悪く書かれたのではないかなどど、悪い方向へ考えてしまいがちです。
GW後、お盆休み後、年末年始開けなど、お店をいつもより長めに休んだときなど、「もう忘れられてるんじゃないか」と怖くなり、結果お店が休めなくなり、その分体力も使って疲れが取れないということが起こりえます。
常に「店」という鏡を通して自分の評価を気にし、売上が悪いと店ではなく、自分自身を否定された気になってしまいます。
就活生にちょっと似ていますね。
商圏の重なる他店を意識し比べてしまう
自分が開業しようと思っている立地の周りには、喫茶店やカフェが多くありませんか?
私のお店の周りにも、徒歩圏だけでも個人店、チェーン店合わせて10件以上のいわゆる「同業者」がいらっしゃいます。
カフェの色は店主によって変わり10件お店があれば10色のお店があります。
その中からお客様はその日の気分やお連れ様の状況、食べたいもの、過ごしたい時間によって入るお店を変えているのですから、他店を意識するくらいなら「自分の色」を濃く出すことに注力すべきです。
でもそこは人間、どうしても他店が気になってしまいます。
特にSNSが盛んな現在、自分のお店はお客様が少ないのに、「今日は満席でありがとうございました」などという他店のSNSを見ようものなら自分のお店のどこが違うのかを考え、結果その店に似た形のお店に近づいてしまいます。
これでは本末転倒です。
また、「周辺にカフェがないから」という理由で開業しても、いつ同じような店がそばに開店するかわかりません。
「こういうお店がやりたい」という芯を変えるときは、他人に似せるのではなく、むしろ逆が効果的です。
もちろん初心を変えず、何があっても揺らがないことはもっと大切です。
売上の少ない日が何日か続くと「もうだめだ」と悲観的になる
売上の少ない日が続くと、月末までの資金繰りが気になり早いうちから「今月はだめなのでは」などと悲観的になることがあります。
私もこの6年間の中で「もうだめかもな」と思ったことが何度もあります。
結論から言うとじっとしていては本当にだめになってしまうかも。
悲観的になる前に、本当に今の自分にできることがないのか考えてみましょう。
いつもより多くSNSを発信する、POPを作り変えてみる、外の掃除をして道行く人に挨拶をする。
それだけでも明日は変わるかもしれないのです。
望まない客が多く来店する
「来店が多い」ことは売上もあがり一見良さそうに見えますが、長い目で見るとそもそも自分のやりたかったお店とかけ離れて行くことにも通じています。
そしてその「望まない客」が来店しなくなった時、上述の他の要因が一気に吹き出てくることがあります。
私のお店は、コロナ禍ということもありますが、3年前と今では客層も客数も全く違います。
正直「数」という面だけでいえば以前のお店の方が活気があったと思います。
でも私は今の方がずっと「カフェを続けていて良かった」と思っています。
あのままだったら私は、お客様も、この土地も、この店も、そしてこの店を作った自分さえも否定し続けていたかもしれません。
精神的苦痛から逃れるために
「金銭的な理由」で気持ちもギリギリの状態でお店を続けている中で、心無いお客様の一言や言動で心が折れ、これ以上続けていけないと閉店を決めたカフェオーナーさんを多くみてきました。
私も2年前はそれと同じ状況でした。
本当に折れる音がしたように感じたものです。
でも幸いなことに、私のベクトルは「辞める」ではなく「変える」に向き、今もまだこうやってお店を続けています。
それは、私のお店を心から好きでいてくださったお客様が「誰か」を知ったから。
そして、「あなたは全然だめじゃない」と私を肯定し続けてくれた方々と出会えたからです。
あなたにとってそれが私であれば嬉しいです⇓
まだまだブログ書いています(^^)
「ココナラ」でカフェ開業や経営についてのお悩み聞いています。
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