大きな利益は出ないものの粛々と営業を続けて8年を迎えようとしています。
しかしここまでの道のりは決して順風満帆とはいえないカフェ経営でした。
最初の1年は借りたお金が運転資金としてどんどん消えていきました。
2年目に経費の削減、原価の見直しをして黒字の月が多くなりましたが、借入金を返したらほとんど残りませんでした。
友人と食事をすることもできませんでしたし、欲しいものも買えませんでした。
3年目に一人営業になり、少しお金が残せるようになりましたがすべてを自分で背負うので自分の時間は全く持てませんでした。
一年のほとんどをお店で過ごし、お店のものを食べ、制服で暮らす。
飲食店のハードル「3年」だけは超えたい、その意地だけで営業していましたが、心のなかではやる意味を見失いかけたことも何度もありました。
開業3年目からこれまで、コロナ禍という未曾有の危機を経ながら店を立て直すつもりで私が取り組んできたことについてご紹介したいと思います。
なぜこんなことをご紹介するのか、それは今もしあなたのカフェ経営が私と同じように苦しいのなら、それを変えるのに必要なのは
「たった6つの簡単な方法」
だからです。
目次
どんな店にしたいのかはっきり決める
今のお店の状態が本当に自分がやりたかったお店なのか、今の生活は望んだ通りなのかを戻って考えてみると自分の夢とは乖離していることに気づきました。
- 「こんなお店にしたい、こんなお客様に来て欲しい」という夢があったのに、現実はそうでない。
- 自分が懸命に作ったお店を土足で荒らされているような気持ちに陥る。
- 一日終わると充足感よりも疲労感の方が強い。
それはお客様の数が多く、売上上がっているから我慢できるというものではありませんでした。
それよりも違和感のあるお客様に店が埋まっていることのほうにストレスを感じるようになりました。
店を開いたなら、お客様に望まれる店をやりたいというのは誰もが思うことです。
でも私はそれ以前に
「本当は〇〇なお店がやりたいけど、今来られているお客様の好みに合わせることが店として望まれていることだろう」と、
自分の夢を自分で消していたのです。
そんな中で数は少なくても「こんなお客様ばかりだといいな」というお客様も来られていました。
そんなお客様に囲まれるとき、私はとても幸せな気持ちになれました。
私は初心に返って自分のやりたいお店を貫こうと決めました。
年齢的なものを考えると、来客数で成り立たせていくには体力的に無理があると思うようになりました。
値上げをする
全てのメニューの値上げに踏み切りました。
来店頻度の多かったお客様に対しては、値上げの告知に合わせて旧価格で使える回数券を販売しました。
その結果、回数券の消化が終わると来店しなくなるお客様が多発しました。
その一方で回数券を買わないまま値上げになっても変わらず来てくださるお客様もいらっしゃいました。
価格で来ているのか、そうでないのか。
「こういうお客様に来て欲しい」と私が感じていたお客様はその後も全員来店いただけています。
私が望んでいるお客様が、私に何を望んでいるのか、そのことだけにフォーカスして店のことを考えるようになりました。
おそらく今、私のお店を「使いづらい」と思っている方は多いと思います。
でもだからといって「万人に使い勝手の良い店」になったら逆戻りだと私は考えています。
あなたはどうですか?
きちんと「自分のお店に必要なお客様」について考えたことがありますか?
値上げはそれを知る最初の一歩かもしれません。
顧客リストを捨てる
2019年に有料会員システムを導入しました。
このシステムは年会費(月100円)を払っていただければ、月1回必ずランチを割引価格で提供したり、クーポンのついたニュースレターを送付したり、テイクアウト商品を割り引いたりするという特典の付いたものでした。
なぜこのシステムを導入したかというと、年会費を支払っていただける=1年間来店するよ、という意思表示の表れだと捉えたからです。
そして、半年間そのシステムをご案内したあと、会員になってくださらなかったお客様のリストをすべて捨てました。
300件以上あった顧客リスト、30件しか残りませんでした。
パレートの法則(80:20の法則)すら当てはまらない小さな数字ですが、
そのお客様方が今も超優良顧客様であることは間違いがありません。
一度来店したら次は2年後なんてお客様はザラです。
でもその2年間の間にお店を取り巻く環境は色々かわり、それに合わせて良かれと思ってお店を変えて行くのですよね。
それをずっとそばで見て来られている常連様と、知らないのに「前はこうだった」とおっしゃるお客様。
私はお客様が店を選ぶのと同じだけ、店がお客様を選んでいいと考えた瞬間から、「望まない客」の言動に心を傷つけられることはなくなりました。
LINEアカウントを変える
顧客リストの削除と並行して公式LINEのアカウントを変えました。
その時すでに500人以上の登録をいただいていましたが、100人近くの方にブロックされていました。
配信しても反応があるのはごくわずか。
私自身も多くのお店のLINEアカウントを登録していますが、ほとんど中身を見ずに削除している、お客様も大半がそうであろうと感じました。
アカウントを変えることで登録者数が半分以下になり、今まで2配信しかできなかったのが週1に配信できるようになり、反応も体感できるようになりました。
クーポンを呼び水に登録を促すこともやめました。
LINE登録を積極的に呼びかける店舗さんに比べ、少しずつしか増加しませんが、「誰が登録しているか」は把握しており、LINE側の無料プランの変更により、今は月1回のメッセージ配信、定期的なVOOM配信もしていますが、ほとんどがお客様との個別の連絡に使っています。
経費を徹底的に見直す
それまで何となく「必要だろう」と思っていた経費を徹底的に見直しました。
- ポータルサイトの登録料
- チラシのポスティング委託
- 有線放送のチャンネル数
- ポイントカードの特典に掛かる経費
- ショップカードデザインの委託
望むお客様がはっきりしたことで、「何となく」必要から「どうしても」必要かどうかが考えられるようになりました。
上記5点を改善しただけで月間2万円。
2万円の利益を生むために1ヶ月に売らなければならないメニューを考えるとたかが2万円、されど2万円です。
現在お店はお子様連れのご来店をお断りしていますが、お子様連れ入店可にしていた時は1年間に10000枚の紙ナプキンを使っていました。
変えてから発注したナプキンはまだ1〜2年は使えそうです。
おしぼりも同じ。
長居のお客様が足を組み替えるたびに汚れていた壁の塗装、4年目に10万以上かけて塗り直しました。
あれから今もきれいなままです。
多くのお客様が訪れることは嬉しいことですが汚れる床。
1ヶ月1度は洗剤で拭かないとくすんできていましたが、今は2ヶ月に1度で十分。
それだけでも自分の休息時間がとれます。
多くの来店があり繁盛している(ように見える店)が実は火の車ということはよくあります。
小さくてもきちんと利益(手残り)を上げるためには、売上に見合う経費になっているのか把握することが大切で、それは1年経ってから見返すものではなく、毎週・毎月見直すもの。これは会計職として20年以上勤めた私の持論でもあります。
時間管理を見直す
客単価を上げたことで客数が少なくなり、仕込みの量が減ったことで時間に余裕ができました。
営業時間も定休日も変え、時間のやりくりを考え直しました。
これまで閉店してからやっていたSNS配信などは全て午前中かアイドルタイムに(このブログもアイドルタイムに書いています)
閉店後はケーキの仕込みだけに。
もちろんこれまでの経験から慣れてきたということもありますが、お客様のターゲットが絞り込めたことで、多くのメニューを置く必要もなくなったことも大きく影響しています。
「飲食店は拘束時間が長くて当たり前」と言われていますが、「当たり前」と思っていたら何も変わらない。
本当に「しんどい」と思うのなら変える勇気を出すことも必要ではないでしょうか。
まとめ
髪を振り乱しても一心不乱に営業に打ち込める、いや打ち込むべきなのが3年だと私は考えていて、厳しい言い方をすれば3年できないなら始めからカフェ開業などしないほうがいいですよね?
その時期の経験はいいことも悪いこともすべて糧になりますが、反面惰性で営業を続けてしまうのもまた3年。
あなたのお店が本当にあなたの望むようになっているのか、ピンチの今こそ考え、変えていく時ではないでしょうか。
そこには何も投資は要らず、むしろ差し引いていくだけのように感じます。
私のお店もまだ道半ば、一緒に考えていけたらいいなと思っています。
まだまだブログ書いています(^^)
「ココナラ」でカフェ開業や経営についてのお悩み聞いています。
カフェ開業や経営に関する悩みお聞きし、解決します ワンオペで8年間経営してきた店主が起業経営のお悩み聞きます
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