ひとくちに「お店の集客」と言っても色んなものがありますよね。
代表的なものは「SNS」「チラシ」「クーポン」等。
SNSは無料で手軽だけどみんながやっているし、チラシはいいだろうけど費用がかかるなど、施策によってメリットデメリットがあると思います。
今回は私が6年間の営業中に実際に行った「集客活動」と結果についてご紹介したいと思います。
目次
現在進行中の集客施策
今現在行っている新規集客活動で心がけていることには
- 費用があまりかからないこと
- 継続的であること
- メディアミックスができること
です。
一度や二度やったところで、自分が思うよりお客様って見ていないし、見ても忘れることの方が多いと意識しておくほうがいいかもしれません。
そのため少ない予算で数をこなせるものを中心にしています。
店前看板
お店で出しているメニューを描いたお店の顔。
カフェは一見美容室とも間違えられやすいので、お店の看板メニューを掲載しています。
ロゴはもちろん、写真を貼るのもいいですよね。
私は鮮やかなチョークアートでランチとシフォンケーキを描いてもらいました。
電話番号も記載しています.
お客様の声
駅前から「調べて」来られる方は口コミもチェックして来られると思いますが、通りがかりの方はそういうことをされずに前を通りますので、口コミの中からなるべく詳しく書いていただいている口コミをたくさん掲載しています。
意識しているのは単に「美味しい」とか「サービス」について褒められている口コミではなく、お店の雰囲気や店主について褒められている口コミを選ぶことです。
じっくりご覧になってそのまま通り過ごされる方も多いですが、次回のご縁につながる可能性もある、そのときに「違ったターゲットのご来店」をなるべく避けたいという思いがあります。
お断りPOP
私のお店は時間制をとっていて、滞在時間が長くなれば価格が上がります。
一般的な「コーヒー一杯◯◯円」ではないので、特に女性同士のおしゃべりが目的での利用には向きません。
お客様商売にあって「こういうお客はNG」につながる掲示物を掲げるのには戸惑いや迷いもありましたが、自分のお店の目指しているターゲットとのミスマッチを防ぐために掲示しています。
否定的な意見もありますが賛同してくれるお客様も多いですし、そういったお客様に来ていただきたいと思っています。
置きチラシ
看板やPOPで興味を持っていただいたお客様に手にとっていただくためのチラシです。
今はテイクアウト商品の紹介を兼ねたものになっていて、「店は使わないけど、テイクアウトなら・・・」と興味を持っていただけるお客様に向かって作っています。
私のお店は店の前が狭く、たくさんの掲示物を出すと道を塞いだり、近隣のクレームのもとにもなるので、チラシの裏に店内のメニューの一覧を書くことで、
通りすがりのお客様の「どんなもの食べられるの?」の疑問にすぐお渡ししてお答えできるようにしています。
店内が混んでいて、外に出られない時にチラシを取って行かれるお客様の姿を見かけることもあります。
Google Map
私がお店を始めた8年前の新規集客は「SEO対策」に重きを置かれていて、ホームページ制作とSEO対策をセットで...といった営業も多くありました。
スマホが普及した今は、駅前で「カフェ」と検索するとおすすめのお店の地図が出てくるいわゆる「MEO」が主流になってきています。
ホームページに誘導したり、写真がたくさん見られたり、口コミが読めたりするので意識せず利用している方は多いし、私もお客様の立場になるとそういったものでお店を決めることも多いです。
お店まで連れて行ってくれますね(^^)
そのために、Google Map では投稿記事をなるべく多く書いたり、ブログの記事にリンクさせたり(いわゆるメディアミックス)、口コミの返信を早くする等の工夫をしています。
yahooロコも同じような感じですね。
ホームページ
今はSNSが発達していたり、ポータルサイトも充実していますので、SNSをホームページ代わりに使われるお店さんもたくさんありますが、私はホームページは持たれることをおすすめしています。
私はこのホームページを「Wordpress」で作っていますが、テンプレートも用意してありすべて無料で使えます。
「ドメインが強い」と言われますが、SNSに比べると検索の上位に上がる確率も高いです。
ブログなど、一度書いたものに後で写真を入れたり、肉付けしたり、訂正したりすることも可能です。
スピード感と言う意味ではSNSには劣るかもしれませんが、「地に足のついた」じっくりした集客には適していると思います。
ただしホームページの制作業者も多く、多くの店舗の経営者が「失敗した」と感じるのがホームページでもあります。
SEO対策もしますと言われることもありますが、結局は自分でどれほどブログを更新できるかが鍵ですし、メニューなどは1年もすれば次々変わって行きますので、その都度費用も発生しますので、なるべく無料のテンプレートを使って自分で進めて行くことがおすすめです。
集客は人任せではダメです、ゼッタイ(^^)
飲食店の集客にはインスタグラムは欠かせないですよね。
物販アプリ「BASE」ともリンクしているので、お店の商品をオンラインで売りたいという方にも便利です。
情報のフレッシュさを伝えたいときはストーリーズ、じっくり説明したいときはフィードなど発信の形を変えられるものも魅力です。
FacebookはInstagramとリンクできるメリットがありますが、より「店主の人となり」が伝えられる場でもあると思います。
私は個人のFacebookとお店のFacebookページを持っていますが、常連様とだけは個人のFacebookでも繋がらせていただいています。
「店主が毎日何を感じながら営業しているのか」といったことはお店というより、私個人として伝えたい部分でもあります。
「Twitterは若い世代がやるもの」という変な認識から手をつけていなかったTwitterを最近はじめました。
自由に呟けばいいという気軽さもあり、お店の宣伝というよりは「店主個人」を分かってもらいたいと思って発信しています。
集客とはちょっと違うかもしれませんが、共感してくださって来店につながれば嬉しいですよね。
Stand FM
2020年の9月から音声配信を続けています。
初めは「カフェ開業希望者」向けに配信していましたが、自分の忘備録のような形のときもあるし、今のお客様にお伝えしたいことを話す時もあり、そのようなときはSNSにリンクを貼って投稿しています。
「等身大の自分」という意味ではFacebookの個人ページやTwitterと似ているかもしれません。
主に常連のお客様に聞いていただくこと多く、音声配信のネタでカウンターが盛り上がることがあります(笑)
チラシポスティング
「チラシは大切」と思いながらポスティングに踏み切れなかった訳は、「怒られるのが怖い」からというのが正直なところです(笑)。
マンションだと「チラシ投函しているところ見つけたら通報」なんて書いてあるところもありますもんね。
でも売上が下がってきた3年目に背に腹は代えられないとポスティングを始めました。
初めは正直コソコソと夜にやっていましたが、夜道は方向が分かりにくく、マンションのポストの場所を探すにも苦労したのでそのうち朝に撒くようになりました。
そしてマンションの管理人さんにきちんと挨拶して「こういうチラシはダメですか?」と聞いてみると8割の方が「いいですよ」と言ってくださったり、ポスティングはダメだけどここならいいですよと置きチラシを許してくださったりしました。
反応率が3%を超えたこともありました。
お店の周辺を何度か撒ききったところで、営業と並行して一人でやることの限界を感じ、外注するようになりました。
自分でやらなくなったのは楽になりましたが、ポスティング業者は「こういうご家族が住んでいそうな家」というような個別の要望には応えていただけないので反応率が悪くなりました。
ただ、ポステイングをするために店内の仕込みなどのやり方を再考して時間のやりくりができたことは、ポステイングを止めた後自分時間が作れるようになったのは違った意味で大きな意義がありました。
またポスティングを始めたきっかけは「今すぐ来店してくださるお客様」を集客することだったので、反応率に過剰に反応し、反応率を上げるために無理な値引きをしたりしたので、割引目当てのお客様が多数来店し、費用対効果が悪く、リピートに繋がらないことも多くありました。
集客には順序というものがあります。
- 認知
- 興味付け
- 来店
- リピート
認知していただくのはもちろんですが、時間がかかっても自分のお店について正しく理解していただき来店していただくことが結果的にリピートにつながると考え、まず認知していただくことを目的として不必要な割り引くを避け、シンプルでわかりやすいヘッドラインを心がけ、細くても継続的にポスティングを続けています。
止めた施策
フリーペーパー
開業してから2年間は「新店」としてみなされ、認知活動の一環としてフリーペーパーの営業の方が多く来られました。
配布世帯が何万枚という世界なので、見てもらえるという成果はあるかもしれませんが、「フリーペーパー=値引きクーポン」という位置づけが殆どで、そもそもが新店を割安で利用したいという層の利用が多かったです。
一回の掲載で小さな枠でも掲載費用が1万円以上しますし、配布枚数の多いフリーパーパーは3ヶ月で10万円近く支払ったこともあり、ただでさえ利益率の悪いカフェにあって更に割り引くことで失う利益が、後々のお客様のリピートにどのくらいつながるかということを考えると、私の店に関しては費用対効果は薄かったです。
新聞販売店と提携しているものもあり、「新聞を取ってくれたら折り込みます」というものもありましたので、新聞を取っているご家庭がターゲット層なら利用価値は高いと思います。
6年前はいろいろなフリーペーパーが出回っていましたが、今は自宅のポストを開けてもあまり投函されていないので、私と同じように考えている店舗さんは多いのかもしれませんね。
前年ながら廃刊になったフリーペーパーもあります。
チラシハンディング
チラシのハンディングはオープン当初、スタッフにお願いして駅前に立ってもらったことがありますが、「全然取ってくれない」という言葉を聞いてやる意味を見いだせずにいました。
ポスティングを始めてから「届けたい相手に届けること」の大切さを痛感したことと、時間のやりくりが少し上達したこともあり、帰宅するOLさん向けに夜の7時半〜8時半をめがけて3箇所の駅でハンディングしました。
一日立って配って取ってくださるのは良くて10枚。
でもお店のお客様に出会うこともあり、一言二言挨拶するのを聞いていた他の方が取ってくださるなど、後方支援もいただきました。
寒い中「頑張って」とカイロをくださった方もいらっしゃいました。
興味のある方しか取ってくださりませんが、大きな値引きなどしなくても来店には結びつきましたので費用対効果はポスティングよりありました。
とはいえ、寒い中で毎日立ってのハンディングは身体には堪え、体調を悪くしたことで止めざるを得なくなりました。
アンケート&サンキューレター
ご来店いただいた方にアンケートと称してリスト取りをし、そのお客様に出していたのが「サンキューレター」
次回ご来店時に割引特典をつけて出していました。
そしてそこに書かれたアンケートの結果にとても振り回されました。
自分が客になったときもそうですが、「Yes,No」の回答は「自分にとっていいかどうか」なので、店主の思いとは関係がありません。
割引券を持って来られるお客様は割引券がなくなれば来なくなり、「割引券そういえばあったね、忘れちゃったけど」と言って来店くださったお客様はその先も割引券がなくてもいらしてくださるということに気づいてからサンキューレターを出さなくなりました。
大手のチェーン店と同じことを真似するのは個人店では限界があると知ったのもこの頃でした。
YouTube
誰もが簡単に動画を投稿できるようになり、私もYouTubeに何度か挑戦したことがあります。
でも何度も失敗するし、完璧なものを投稿しようとしすぎたり、編集のスキルがなかったりと前向きに考えられることが少なく、挫折してしまいました。
変な抵抗感を持たずいろんなことにトライすべきではあると思っていますが、それよりも大切なのが「継続すること」と思っていて、そういう意味ではYouTubeは私にはハードルが高かったです。
逆に音声配信の「Stand FM」は無理なく続けることができていて、自分にあった媒体を使うことも大事だなと思っています。
とはいえ、まだ諦めるな・・・ですね。
上の動画は昨年の5周年のイベントの際に動画のプロに撮っていただいたものです。
いずれはこんな感じの動画をコンスタントに上げれたらいいのですが(笑)
AI自動集客
「飲食店の集客はインスタ映えとフォロワー数のアップ」と考えていた時期、自動でフォロワー数を伸ばしてくれるAI集客に費用をかけていたことがあります。
確かに最初の1000くらいはスピーディーに数が伸びて行きました。
フォロワー数が1500を超えたくらいから伸びが鈍化してきました。
そのことを相談すると「記事の上げ方が悪い」と言われました。
相手をフォローすることでフォローバックがあり、結果的にフォロワー数が伸びるのであれば地道にやればいいですし、2000や3000のフォロワー数では今どきブランディングにはならないほどSNSは普及してしまったこの時代、費用をかけて集客するという発想自体を転換しなければという考えに変わって行きました。
番外編
ニュースレター&有料会員制度
アンケートを書いていただいて取ったリストを利用して送っていた「ニュースレター」。
店主の私がどんな人物なのかを知っていただくことで次回ご来店につなげようとしていました。
ニュースレターを書く行為自体は楽しかったのですが、毎月送るニュースレターの印刷代や送付代の割にリピートにはあまりつながっていないことに気づき、
お店の形を変えるタイミングで出す相手も変えることにしました。
現在は「有料会員(会費を払っていただいているお客様)」の特典として送っています。
店主の日常はもちろんですが、営業日程やイベントのご招待等お店に関わることの告知はすべてニュースレターが最初。
優先的にご案内させていただき差別化を図っています。
月に100円(年間1200円)を払えば、毎月一回お会計がオフになったり、クーポン付きのニュースレターが届いたりする会員制度。
「え〜〜お得〜〜」と言いながら加入されない理由は
「月1回来店するかわからないから」
そんな中、会費を払ってくださるお客様が如何にお店にとって大切な方なのか、教えてくれる施策になりました。
ポータルサイト
「食べログ」や「ぐるなび」といったポータルサイトに掲載することで、お客様の検索結果に載りやすくなり、結果集客に結びつくということはあると思います。
ポータルサイトへの掲載は有料プランと無料プランがあり、SEO対策(検索上位に載せること)に使おうと思うと費用がかかります。
無料プランではお店の情報と代表メニューの紹介までしか掲載できないことが多いです。
私のお店も2年ほど有料プランでの掲載をしていましたが、来店経由のアンケートを取るとポータルサイトからではないことが多く、単に予約サイトして利用されていることのほうが多くなって来たので止めました。
正直思ったよりポータルサイト側のフォローは少なく、情報の書き換えなどすべて自分でやらなければならないので負担軽減にもなりませんでした。
ただし、ポータルサイトは掲載店舗件数は多く、「ぐるなびにも載っていない店」という位置づけは今の店にとってはプラスにはならないという判断で、無料プランでの掲載だけをしています。
おすすめは「Retty」。
割とSEO強いですよ。
まとめ
お店をやっていると集客については自分でも色々考えるし、たくさんの施策の営業の電話などもかかってきます。
費用関係なくすべて取り組めたらいいのでしょうが、一人でやるには限度があります。
そして「違うな」と思うお客様に来店されることほど、店主とお客様双方にとって不幸なことはありません。
私は時間もお金もかけてたくさん失敗しましたし、これからも選ぶ施策は変わって行くと思いますが、意識しているのは「誰に伝えたいか」ということ。
あなたにとって「来てよかった」と思っていただけるお客様はどなたですか?
まだまだブログ書いています(^^)
「ココナラ」でカフェ開業や経営についてのお悩み聞いています。
カフェ開業や経営に関する悩みお聞きし、解決します ワンオペで8年間経営してきた店主が起業経営のお悩み聞きます
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